広告費や市場規模を今すぐチェック。数字で見るソーシャルメディアマーケティング

広告費や市場規模を今すぐチェック。数字で見るソーシャルメディアマーケティング

通勤時間を利用してYouTubeの動画を楽しんだり、Instagramで欲しい商品の情報をチェックしたりするのが当たり前になった今、業種・規模を問わず多くの企業がソーシャルメディアをマーケティングツールとして活用し、顧客獲得や販路拡大に役立てています。

今回はそんなソーシャルメディアマーケティングをテーマに、シンクタンクや広告代理店によるリサーチ結果を参考にしながら、SNSの利用者数や広告費、市場規模をまとめてみました。

参入するSNSや予算・リソースの配分に迷っている方、他社がどれくらい広告を出しているのか知りたいといった方は、ぜひお役立ていただければと思います。

1.利用者数

まずはソーシャルメディアの利用者数から見ていきましょう。

市場調査を手がけるICT総研が2022年5月に公開したリサーチ結果によると、日本国内におけるソーシャルメディアの利用者数は約8,270万人。

ネットユーザー全体の80%以上が何らかのSNSを利用しており、その数は毎月10.1万人のペースで増え続けているそうです。通信技術の飛躍的な進化や格安スマートフォンの普及を背景に、ソーシャルメディアがシニア層を含めた幅広い世代に根づいていることがうかがえます。

一方、メディア別の利用率については、ネットユーザー全体の79.5%が利用しているLINEが日本国内における第1位。第2位にYouTube(62.0%)、3位にTwitter(55.9%)、4位にInstagram(52.9%)と続きます。

この数値を見てもわかるように、ソーシャルメディアの利用者の大半は複数のSNSアプリをインストールし、目的に応じて使い分けています。

2.利用目的

次はソーシャルメディアの利用目的について、より詳しく見ていきましょう。

やや古いデータにはなりますが、総務省が2019年に行った通信動向利用調査によると、SNSの利用目的の第1位は「知人とのコミュニケーション」(87.3%)、第2位が「知りたいことの情報収集」となっています。

ただし、これはソーシャルメディア全体の概算であり、そのまま鵜呑みにすることはできません。先述のとおりユーザーの大半は、複数のSNSを目的に応じて使い分けているからです。

その証拠に、たとえばInstagramでは「情報収集」を目的とするユーザーが全体の29%を占めるのに対し、LINEのそれは全体の18%。一方のコミュニケーションについてはInstagramが14%、LINE、Facebookが25%となっています(※アライドアーキテクツ株式会社調べ)。

ソーシャルメディアマーケティングのプラットフォームを選ぶ際はまず、この利用目的に着目すること。あくまで一般論ではありますが、会話やチャットを楽しもうとしているユーザーに自社の商品・サービスをプッシュするのは、マーケティング上得策とは言えません。

その点でコミュニケーションより情報収集を目的としたユーザーの多いSNS、LINEやFacebookよりもInstagramの方が、最初のプラットフォームとしては適しているのでないでしょうか。

3.利用時間

続いては利用時間について。広く知られているとおり、ソーシャルメディアは自宅でのリラックスタイム,やランチタイム、通勤・帰宅時間帯に利用するユーザーが多いのが特徴です。

たとえば「App Ape」が行ったInstagramの利用実態調査によると、ユーザーのアクティブ率が最も高いは20:00~21:00台。その次が12:00台と17:00~19:00台という結果が出ています。

YouTube、TikTokといった動画SNSでは深夜の利用率が高くなるという若干の違いこそあるものの、全体としての傾向はどのメディアもそれほど大きく変わりません。

ソーシャルメディアで写真を投稿したり、動画を配信したりする際は、上記3つの時間帯をベースにすると高い費用対効果が見込めるはずです。

4.広告費

広告代理店の電通が2022年3月に発表した「2021年 日本の広告費」によると、ソーシャルメディア全体の広告費は対前年比134.3%の7,640億円。インターネット広告費全体の35.4%を占め、新聞、雑誌、ラジオの広告費を足した金額を上回っています。

広告を出す企業の多くがマスメディアからインターネットへシフトし、さらにソーシャルメディアへとフォーカスし始めているのは間違いないでしょう。

そうした一方、1社平均の広告費についてはそれほど高くありません。

ネット広告代理店を経営している筆者の知人に聞いてみたところ、「Instagram広告とFacebook広告で1ヵ月平均15万円から20万円。他のSNSを含めても高くて月30万円前後」とのことでした。

ソーシャルメディア広告のほとんどが1日100円程度から出稿できることもあり、まずはスモールスタートし、調整を重ねながら上記の金額の範囲内で運用している広告主が多いようです。

もちろんこの数字は事業規模によって大きく変わってきますが、中小企業やベンチャー企業のマーケティング担当の方は1つの参考にしてみてください。

5.市場規模

最後は全体の市場規模について見ていきましょう。

ネット広告代理店の株式会社サイバー・バズの調査によると、日本国内におけるソーシャルメディアマーケティングの市場規模は2023年に8,947億円、2025年には1兆1,171億円に達する見込みです。

内訳としては、広告費が全体の約90%を占め、その他運用代行サービスや運用支援ツールの売上などが含まれます。また、ここ2、3年はインフルエンサーとタイアップして集客・販促を測る企業も増え、そうしたインフルエンサーマーケティングだけで来年には600億円以上の市場規模に達するそうです。

金額が大きすぎてピンとこない部分はあるものの、トータル約8,900億円という金額は国内における動画マーケティング市場の約2倍。先述の広告費に換算すると、ダイレクトメールや折り込みチラシ、屋外広告の広告費をはるかに上回っています。

そういった意味でソーシャルメディアマーケティングはもはやオプションではなくマスト。顧客獲得や事業の拡大を図るにあたって、まず着手すべき施策の1つと言えるかもしれません。

最後に

今回はソーシャルメディアマーケティングをテーマに、SNSの利用者数や広告費、市場規模についてご紹介しました。みなさまの参考になれば幸いです。

なお、SNS別のユーザー数やメディアとしての特徴については以下の記事でも詳しく解説しています。今回の内容とあわせてぜひご一読ください。

これから始めるSNSマーケティング。最初のプラットフォームはどのソーシャルメディアを選ぶべき?

https://www.autopilotacademy.jp/how-to_sns-marketing/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

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監修者:小池英樹

監修者:小池英樹

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。

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