古くて新しいストーリーテリング。実践する前に必ずチェックしたい3本のCM動画とは?

古くて新しいストーリーテリング。実践する前に必ずチェックしたい3本のCM動画とは?

モノやサービスを売るためにはまず、その商材ならではの強みや魅力、ユーザーメリットを訴求すること。これはデジタル、アナログ問わずマーケティングにおける定石の1つです。

ただ、現実はそう簡単にはいきません。唯一無二の優位性を持つ商材などそうそうあるものではありませんし、2000年代以降は多くの業種でコモディティ化が顕著になり、期待の新商品をマーケットに投入しても、ごく短い期間のうちに競合にポジションを奪われてしまうようなことも多くなりました。

そうしたなかで今あらためて注目を集めているのが、今回取り上げるストーリーテリングです。

感動と共感でモノを売るということ

ストーリーテリングとは、価格や特典といった直接的なメリット・優位性ではなく、企業やブランドにまつわる「物語」を前面に押し出す手法です。別名ストーリーマーケティングとも呼ばれます。具体的な例として、AmazonのテレビCMを見てみるとわかりやすいかもしれません。

広く知られているとおり、Amazonにラインナップされている商品は常時3億点以上。書籍やDVDから食品、雑貨、アパレル商品までありとあらゆるものが時間・場所を問わず手に入ります。

また、その他のサービスについてももはやECモールの枠組みを大きく超えて充実しており、年会費4,900円のプライム会員になれば、買い物の大半の送料が無料に。さらに12,000本を超える映像コンテンツや200万曲を超える音声コンテンツを視聴できます。

にもかかわらず、AmazonのCMでフォーカスされるのは、あくまで人の物語。仕事にストレスを抱える女性が思わぬ贈り物で笑顔を取り戻したり、お年寄りと孫が交流したりするストーリーです。CMのなかでECモールとしてのAmazonの利便性や優位性にスポットが当たることはほぼありません。

実利的なメリットに代わって消費者を動かすのはストーリー。物語の力によってAmazonというブランドへの共感・信頼感が生まれ、それがたとえば、総額120億ドルを超えると言われるAmazonプライムデーの莫大な売上などへとつながっていくというわけです。

ストーリーテリングの参考にしたい国内企業のCM動画

Amazonの事例を見てもわかるとおり、ファンの獲得やセールスの拡大、ブランディングに大きな効果を発揮するストーリーテリングですが、マーケティング手法としては決して目新しいものではありません。

日本国内でもデジタルマーケティングの黎明期、さらにそれ以前のマスメディア全盛時代から多くの企業がストーリーテリングの概念を取り入れ、商品やサービスの認知度アップ、事業の拡大に役立ててきました。続いては、それらのなかから3本のCM動画をピックアップしてご紹介したいと思います。

いずれもテレビCMとしての放映は終了していますが、現在でもYouTubeなどでアーカイブされた映像を視聴できます。3本ともに「売るのではなく心を動かす」、「共感・感動を与える」というエッセンスが詰まった名作なので、ストーリーテリングを実践する前にぜひチェックしてみてください。

1.JR東日本「クリスマス・エクスプレス」

最初にご紹介するのは、JR東日本が1989年から1992年にかけて放映した、東海道新幹線のテレビCM「クリスマス・エクスプレス」シリーズです。

アーティストの山下達郎さんが楽曲を提供し、その後ロングセラーになったことでも広く知られています。40代以上ならリアルタイムで観たことのある方もいらっしゃるかもしれません。

このCMシリーズが特徴的なのは、言葉による表現が抑えられていること。新幹線のホームや改札口を舞台に恋人を待つ女性の姿が描かれるわけですが、1作目で出演した女優の深津絵里さんはセリフなし。2作目以降の牧瀬里穂さんや吉本多香美さんもほぼ言葉を発しません。

にもかかわらず、表情の変化や仕草、テンポの良いカット割りによって主人公の女性の感情や心情の変化が手に取るように伝わってくる、非常の質の高い映像作品に仕上がっています。

なお、広告代理店・電通の担当者はこのCMを手がけるにあたり、新幹線は単なる移動手段ではなく、コミュニケーションツールであることを再認識したと語っているそうです。

2.大塚製薬「ポカリスエット」

2つめは、大塚製薬「ポカリスエット」のCMシリーズです。大塚製薬では販売開始2年目の1981年から広告宣伝をスタート。さらに1986年にはイメージガールのコンテストを開催し、グランプリ受賞者をテレビCMに起用。現在にいたるまで放映を続けています。

なかでも1992年から1993年にかけて放映された一色紗英さん主演シリーズの人気は高く、思春期の女性の心情を描いた瑞々しいストーリーが、今でも広告関係者から高い評価を得ています。

ちなみに、ポカリスエットのCMシリーズにはその後も綾瀬はるかさんや川口春奈さん、中条あやみさんが起用されており、人気若手女優の登竜門的存在として位置づけられているようです。

3.東京ガス「家族の絆」

最後にご紹介するのは、2008年から2019年にかけて放映された東京ガスのテレビCM「家族の絆」シリーズです。「ごはんの数だけ、家族になる」、「家族をつなぐ料理のそばに」といった印象的なキャッチコピーとあわせて、ドラマ仕立て食卓での家族の交流を描いています。

なかでも2009年に放映された「お父さんのチャーハン」編と、2016年に放映された「やめてよ」編は珠玉の作品。放映直後から「感動した」、「共感した」、「目頭が熱くなってくる」といった視聴者の声が寄せられ、Webメディアや広告専門誌でも話題を集めました。

前者は2010年度の広告電通賞(産業・企業部門)の最優秀賞を、後者は2017年のフジサンケイグループ広告大賞(メディア部門)テレビ最優秀賞、同年のJAA広告賞(消費者が選んだ広告コンクール)など数々の賞を獲得しています。

最後に

今回はストーリーテリングの概要とあわせて、ストーリーテリングを実践するにあたって参考になる3本のテレビCMをご紹介しました。

いずれも大手企業や広告代理店が多額の予算を投入して形にした作品であり、そのまま真似できる性質ものではありませんが、ストーリーテリングのエッセンスを学び、正しく理解するうえで非常に参考になる映像コンテンツだと思います。

今回の内容がマーケティングに取り組んでいる方の参考になれば幸いです。

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

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監修者:小池英樹

監修者:小池英樹

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。

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