【初心者向け】スマホ1つで始める生配信。インスタライブの使い方

【初心者向け】スマホ1つで始める生配信。インスタライブの使い方

新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くのライブやコンサートが中止・延期に追い込まれました。相撲、競馬といったメジャーなスポーツ・娯楽も無観客での開催が続いています。

依然として収束の見通しが立たないなか、これまでのイベントやエンターテインメントのあり方、不特定多数の人へ向けた情報発信の仕方について、大きく見直す時期が来ているのは間違いないでしょう。

そうしたなかあらためて注目を集めているのが、今回取り上げるインスタライブです。

インスタライブとは?

インスタライブは2017年にリリースされたInstagramのライブ配信機能。文字どおりInstagramユーザーに向けて撮影と同時進行で動画を配信できます。

配信時間についてはもともと1時間の制限が設けられていましたが、2020年のアップデートによって最大4時間まで延長。配信した動画を最大30日間アーカイブできるようになりました。同年10月にリリースされたバッジ機能(配信者への投げ銭機能)も人気を集めているようです。

とりわけ特徴的なのは、手持ちの端末1つで手軽に配信できること。

インスタライブはスマートフォンのカメラとマイクに対応しており、ネット番組の中継のようなスタジオの手配、機材の準備は必要ありません。実際、インスタライブの利用者の多くは、自宅やオフィスから縦型のセルフィ―(自撮り形式)で動画を配信しています。

また、配信機能とあわせて視聴者からの質問機能・コメント機能も搭載されており、配信中にインタラクティブなコミュニケーションをとることが可能です。

2020年のクリスマスイブには、人気アーティストの星野源さんが約2時間にわたるインスタライブを配信。告知が前日だったにもかかわらず、常時8万人、トータル50万人以上の視聴者を集め、ネットニュースなどでも大きく取り上げられました。

一方で企業における活用事例も少なくなく、たとえば雑貨・インテリアショップ「LOWYA」は、毎週ほぼ決まった時間に商品やインテリアコーディネートを紹介する視聴者参加型のライブ配信を続け、毎回5万回以上の再生回数をマーク。フォロワー獲得や見込み顧客の囲い込みにつなげています。

インスタライブの使い方~事前準備から配信まで~

続いては実際の使い方、配信の進め方について。インスタライブをマーケティングに活用したいと考えている企業の担当者の方に向けて、5つのステップに分けてご紹介していきます。

1.構成を決める

最初のステップは全体の構成です。プライベート感覚で手軽に配信できるインスタライブではありますが、それゆえに雑談が長引いたり、同じような内容のトークが続いてしまったりすると視聴者に飽きられ、配信途中で離脱されてしまいます。

配信のテーマ(新商品の紹介、使い方・ノウハウの共有など)とターゲット(年齢、性別、職業など)を整理したら、テーマにあわせてどの部分にどれくらい時間をかけるのか、大まかな時間配分・構成を決めておきましょう。慣れないうちは簡単なスクリプトにまとめておくのも1つです。

ちなみにインスタライブにおける平均配信時間はおおむね15分~30分、長くても60分前後。仕事の空き時間、移動時間などに視聴するユーザーが多いこともあってか、上限が伸ばされた2020年のアップデート以降も3時間を超えるライブ動画が配信されるケースはそれほど多くないようです。

2.配信日時を決める

構成が固まったらターゲットの生活スタイルを考慮しつつ、具体的な配信日時を決めます。その際に役立つのが、Instagramのインサイト(効果測定)機能です。

自社アカウントで100人以上のフォロワーを確保していれば、プロフィール画面や投稿画面の「インサイト」をタップすることで、曜日別のリーチ数やフォロワーがInstagramにアクセスした時間帯をチェックできます。

過去のデータを参考に、リーチ数・アクセス数の多い曜日・時間帯にライブ配信を行えば、おのずと視聴者数・再生回数を伸ばせるでしょう。

また、継続的に配信を行う場合は、配信する曜日・時間帯をフィックスしておくとユーザー側でも視聴が習慣づき、やはり再生回数のアップにつながる傾向があるようです。

3.テスト配信を行う

次はテスト配信。決めたとおりの構成で視聴者に伝えたいメッセージが伝わるか、大まかな時間配分に問題はないか、個人アカウントなどを使ってチェックしましょう。

テストの際は本番で映像が途切れたりすることがないよう、配信に必要なスマホのバッテリー残量、ネットワーク通信の状態を確認しておくのも忘れずに。本番配信が夜になる場合は、撮影場所全体の明るさ、照明の位置などに気を配るのも大切です。

4.告知する

続いてターゲットに向けてライブ配信の内容・スタート日時を告知します。

できるだけ多くの視聴者を確保できるよう、シンプルかつ一般的なハッシュタグ(会社名、ブランド名+日付など)をつけて投稿しましょう。あわせてFacebookやTwitterを利用している場合は、それらのアカウントを活用するのも1つ。そのうえでさらにフィード投稿にイベントタグを紐づけておけば、配信15分前にフォロワーに通知が届きます。

5.本配信する

ここまでの事前準備が済んだら、次はいよいよ本配信。本番では以下の2点に配慮しましょう。

1つめは、構成段階で決めた配信時間より長めの尺を確保しておくこと。インスタライブでは配信開始と同時に一気に人が集まることは少なく、シェアなどを通じて時間の経過とともに徐々に視聴者が増えていきます。

動画の内容をより多くの人に届けたいのなら、冒頭の5分程度は画面左上のカウンターバッジ(視聴者数)を確認しながら挨拶・雑談程度にとどめ、一定数が集まったタイミングで本題をスタートさせるのがおすすめです。

もう1つは、視聴者に徹底的に寄り添うこと。配信側でブロック設定をしていない限り、ライブ配信中は視聴者からの質問・コメントが画面下部に表示されます。随時チェックし、いち早く対応しましょう。

コメントを読み上げれば途中から参加したユーザーも内容を理解しやすくなりますし、「きちんと対応してくれている」、「意思疎通ができている」という信頼感は次回以降の視聴にもつながっていきます。

ライブ配信が人気のインスタアカウント3選

最後はライブ配信で人気を集めているInstagramのビジネスアカウントをご紹介します。

Snow Peak

キャンプ用品や登山用品の開発・販売を手がけるSnow PeakのInstagram公式アカウントです。スタッフによるブランドヒストリーやおすすめ商品の紹介のほか、テントの設営方法や調理器具の使い方を学べる実践形式の動画が人気を集めています。

2020年10月には毎年開かれるファンイベント「雪峰祭」の模様を2日間にわたって配信し、トータル20万人以上の視聴者数をマークしました。

https://www.instagram.com/snowpeak_official/

資生堂

大手化粧品メーカー・資生堂の公式アカウントでは、人気ヘアメイクアップアーティストの小田切ヒロさんやモデルの秋元梢さんを起用し、メイクアップ術を学べる動画を配信しています。ライブならではのテンポの良い構成に特徴があり、2万人以上のフォロワー獲得につながっています。

https://www.instagram.com/shiseido_corp/

LOWYA

こちらは最初にご紹介した雑貨・インテリアショップ「LOWYA」の公式アカウントです。

ライブ配信の平均視聴回数は、国内のビジネスアカウントのなかでトップクラスとなる平均5万回以上。商品の紹介以上に視聴者1人ひとりとのコミュニケーション、アドバイスに時間を充てる構成は、非常に参考になるポイントだと思います。

https://www.instagram.com/lowya_official/

最後に

今回はインスタライブの概要や配信方法についてご紹介しました。

対面型のイベントが制限されるなか顧客との接点を探っている方、ウィズコロナ時代にSNSを活用して新しいマーケティング施策を始めたい方の参考になれば幸いです。