「売らない」クリエイティブが成果を生む?Instagram広告の成功事例6選

Instagram広告の成功事例6選

全世界で10億人以上、日本国内で3,000万人以上に利用されているInstagram。2015年からは日本での広告配信サービスもスタートし、業種・規模問わず多くの企業が活用しています。なかにはブランディングやセールスプロモーションとして大きな成果をあげた事例も少なくありません。

今回はそんなInstagram広告の6つの成功事例をピックアップ。Instagram広告の特徴やメリットを整理したうえで、成功した企業にはどんな共通点があるのか、Instagram広告を出稿する際はどんな点に気を配るべきなのか、ひも解いていければと思います。

Instagramの5つの特徴

まずは広告メディアとしてのInstagramの特徴について。他のソーシャルメディア、あるいは検索エンジンのリスティング広告、webサイトのバナー広告と比べてどんな違いがあるのか見ていきましょう。

1.若い女性ユーザーが多い

約3,300万人といわれる日本国内のInstagramユーザーのうち約60%が10代~40代。さらにそのうち10代、20代、30代では全体の6割以上を女性が占めています。

この割合は4大ソーシャルメディア(Facebook、Twitter、LINE)のなかで最も大きく、通勤通学の電車内や就寝前の空いた時間で毎日Instagramを使っている女性も少なくありません。

おのずと若い女性の関心が高い商材、たとえばコスメ、健康食品といったヘルスケア関連商材、アクセサリーを含めたアパレル関連、旅行・レジャーをはじめとするアクティビティ、グルメ、婚活サービスなどのプロモーションには非常に適しています。

2.ビジネスと親和性が高い

Instagram=日常生活のひとコマやお気に入りのアイテムを投稿するメディアというイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、Instagramユーザーの80%以上がビジネスアカウント(法人アカウント)をフォローしていると言われています。ビジネスアカウントの投稿をきっかけに店舗情報をチェックしたり、商品の購入を検討したりするケースも多いようです。

他のソーシャルメディアと比べ、ビジネスとの親和性が非常に高いのもInstagramの特徴の1つです。

3.広告フォーマットが豊富

文字数制限に縛られることが多いリスティング広告や、基本的に画像1枚での出稿となるディスプレイ広告に対して、Instagramには複数の広告フォーマットが用意されており、より多くの情報を訴求できます。

たとえば、動画やスライドショーを使ってブランドのストーリーや商品の利用シーンを見せることもできますし、最大10枚までの画像を組み合わせられるカルーセル広告なら、1つの商品を異なる角度から紹介したり、複数のアイテムを紹介してそれぞれ別のリンク先へ誘導したりすることも可能。

後ほどご紹介する成功事例の多くも、こうした豊富な広告フォーマットをうまく活用することで認知度アップや顧客獲得といった成果につなげています。

4.ターゲットを細かく設定できる

Instagram自体は実名登録制ではないものの、実名制のFacebookと同じ広告ターゲティングエンジンが使われているため、ユーザーのパーソナル情報をそのまま広告の配信条件として指定できます。

ユーザーの年齢や性別、居住地などはもちろんのこと、webサイトの閲覧履歴やアプリの利用履歴、それにもとづく興味関心、ライフスタイルといった条件を上手く組み合わせることで、広告としての無駄打ちは減り、費用対効果を高められるでしょう。

5.グローバルに情報発信できる

冒頭でも触れた通り、Instagramの利用者数は全世界10億人以上。画像投稿型のソーシャルメディアとしては世界最大のユーザー数を誇ります。

また、その性質上、言語の違いに依存する部分が小さく、ビジュアルだけで全世界に向けて幅広く情報発信できます。海外のSNSユーザーへ向けて製品やサービスをPRしたい企業、日本の伝統工芸品を取り扱う企業などにとってもうってつけの広告メディアの1つです。

Instagram広告の6つの成功事例

1.花王「PYUAN」

大手化学メーカー・花王は、2017年に誕生したヘアケアブランド「PYUAN(ピュアン)のプロモーション戦略としてInstagramに広告を出稿しました。

ブランドのコンセプトは、本当に大切なものだけを選んで生活に取り入れる“クレンズライフ”。このコンセプトをもとに赤毛のピュアンというキャラクターを設定し、18歳~29歳の女性へ向けてストーリー形式のGIF動画広告、カルーセル広告を配信した結果、店頭での売上金額シェアを昨年対比150%に伸ばしました。

参照:花王「PYUAN」Instagram投稿

2.三越伊勢丹ホールディングス「MOO:D MARK」

「MOO:D MARK」は老舗百貨店・三越伊勢丹が運営するオンラインギフトショップ。2020年のホワイト―デー商戦を見据え、以前から利用していた3月上旬の期間限定でInstagramの広告キャンペーンを展開しました。

そこでターゲットの過去6ヵ月間の動向をもとに、スライドショー型の広告でスイーツやスコッチウイスキー、マグカップといった複数の商品を紹介した結果、Instagramの利用前と比べて顧客獲得単価を35%改善。さらに購入者数も従来の1.5倍に増やしています。

参照:三越伊勢丹ホールディングス「MOO:D MARK」Instagram投稿

3.StyleShare

韓国を中心に600万人以上の顧客を持つファッション・美容関連のECプラットフォームStyleShareでは、2019年冬のコレクションに向け、パートナーブランド2社のセールスプロモーションの1つとしてとしてInstagram広告を活用しました。

出稿にあたっては外部のクリエイターと連携し、Instagramのフィードやストーリーズの仕様に合わせて個別のクリエイティブを用意。あわせてカルーセル広告で複数のコーディネート例を紹介することで、わずか9日間のキャンペーンながら注文単価を31%、広告の費用対効果を27%改善しています。

参照:StyleShare Instagram投稿

4.ツヴァイ

結婚相手紹介サービスで業界トップクラスを誇るツヴァイでは、サービスへのマイナスイメージを払拭し、新規会員を増やすことを目的にInstagram広告を活用し、大きな成果をあげました。

ポイントとなったのは、通常のフィードのなかでも違和感のないクリエイティブに仕上げたこと。サービスを売り込むのではなく、Instagramのユーザー層、ターゲットと同じ年齢層のモデルを起用し、カップルの日常風景、たとえば2人での散歩やホームパーティーといったシーンをカルーセル広告でナチュラルに表現したことで、結果的に資料請求ボタンのクリック率を60%以上向上させています。

参照:ツヴァイ Instagram投稿

5.ニフティ不動産

こちらもクリエイティブ面での工夫が光る事例です。

不動産ポータルサイトを運営するニフティ不動産では、それまで培った動画マーケティングのノウハウを活かしつつ、Instagramの配信面にマッチする広告を出稿。

不動産広告にありがちな家賃、最寄り駅といった情報を並べ立てるのではなく、真新しいキッチンやロフト付き物件の内観イメージを素早く切り替わるスライドショーで見せたことにより、リーチ数を4倍に拡大。同社が提供しているアプリのインストール数を23%増加させました。

参照:ニフティ不動産 Instagram投稿

6.ダイキン工業

大手空調機メーカーのダイキン工業では、同社が提唱する湿度コントロールの大切さについて若年層に知ってもらうために、Instagram広告を活用しました。

決して一般的とは言えないトピックに興味関心を持ってもらうため活用したのは、Instagramストーリーズのアンケートスタンプ(質問に合わせて2択の回答ボタンを設定できる機能)。

この機能を使って簡単なクイズ形式の動画広告に仕上げたことで、クリック率の向上、広告再生単価の改善など大きな効果をあげています。

最後に

広告フォーマットが豊富なうえ、ビジネスとの相性も良く、ターゲティング精度も高いInstagram広告。今回取り上げたように、webマーケティング施策として多くの企業が活用しています。そうした企業の業種・ビジネスモデルはさまざまですが、1つ共通点を挙げるとすれば広告で「売ろうとしていない」点。

今回取り上げた6社の事例のうち、商品の価格や割引情報をダイレクトに訴求している広告は1つもありません。あくまでInstagramを使うユーザーに寄り添い、違和感を抱かせることなく、それ自体が楽しめるソーシャルメディアのコンテンツとして広告を出しています。最後にご紹介したダイキン工業の事例などは、その最たるものの1つです。

言わば広告らしくない広告、売らない広告に仕上げること。それがInstagram広告で成果をあげるためのポイントなのかもしれません。

今回ご紹介した内容をぜひお役立ていただければと思います。

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー]は見込み顧客獲得と成約率向上のための最善の方法をお教えしています。
ネットを使って顧客との強固な関係を構築することができるようになり、小さな企業でも大きな成長を実現することができます。

監修者:小池英樹

監修者:小池英樹

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。