みなさん、こんにちは。
今回は、ECサイトやLPの運営で避けては通れないABテストについて解説します。
そもそもなぜABテストが必要なのでしょうか?
それは読者のコンバージョンを挙げるために有効だからです。
読者が目にするもの、視覚的イメージ、次に何をすれば良いのかのサジェスチョンなど、読者の次の行動を後押しするような、コピー、レイアウト、色使いができれば、あなたは読者をうまくサイト内での滞在を後押しすることができるとともに、購入意欲を刺激することができるのです。
ただ、サイトを作るだけでは、不十分です。検証に検証を重ねて、より効果的なサイトづくりを目指していきましょう。
マーケティングの意思決定のために必要なデータの測定法と測定したデータを最大限に活かすための方法について解説しています。本講座をご受講頂いて、あなたのビジネスでデータドリブンマーケティングを実践してください。そして、8割の成果につながる2割のデータを見極め、より効果的な次の一手を考え、売上を上げる施策につなげてください。
1.ABテストとは何か?
デジタルマーケティング(Webマーケティング)におけるCRO(Conversion Rate Optimization)の手法であり、プロセスの一つです。
自サイト内での商品やサービスの購入、会員登録など設定したゴールに対し、サイト内でどの程度達成できているかを判定する手法の一つと言えます。自サイトの訪問者や興味を持ってくれた対象に対し、どういったアプローチが良いのか、を項目を絞って一つ一つ検証していきます。
2.ABテストの種類
ABテストには主に2つの手法があります。
2.1.URLを変えずに行う
URLを変えずに、サイトのJavaScriptコーディングを上から書き換えてサイト上での振る舞いを変える手法があります。この場合はランダムに来訪者を選別し、現状のページとJavaScriptに変更を施したページに誘導します。
その際、ソフトを利用して、来訪者のマウスポインタの動きや成約率、登録率などを比較します。
2.2.URLを2つ用意して行う
2つのURLを用意して、現状ページと実験ページの2つを用意します。こちらもランダムに来訪者を選別し半数をリダイレクトの形で実験ページに遷移させます。
以前、Googleアナリュティクスの機能であったので、身近に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
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3.ABテストの効果
ABテストは、現状のページとテストページとで1対1で効果を検証していく手段です。後に述べますが検証項目は多岐にわたります。もし、選択肢が2つではなく3つ以上の場合は多変量テストとなり名称が変わります。
いずれにしても繰り返し検証をし、その結果を積み重ねていくことで、来訪者が気持ちよく購入や会員登録に進んでくれるスタイルを模索していく作業です。
効果の検証には、ある程度のトラフィック数とテスト回数が必要になりますが、シンプルなページの場合、この2つの数はそう多くなくても検証が可能です。とくにLPのように1ページで済むようなサイトの場合は、比較的短期で検証を行うことが可能でしょう。
より複雑なサイト、画面遷移の多いサイトでは数次の検証が必要です。
4.ABテストで検証すべき点
では実際にABテストを行う上で注目すべき点はどんなところでしょうか。テストを実施できる点は多岐にわたります。詳細を見ていきましょう。
今回は、ディスカウントなど期間限定のキャンペーンを張ることを前提に、どういった点でABテストの検証が可能なのか見ていきます。
4.1あなたのオファー
「宣伝(認知拡大)がメインのプロモーションに特化するのか、見込み顧客をもっと増やすのか」
基本的なことではありますが、まずはここから始まります。これはあなたのサイトの来訪者の性格分析にも繋がります。売り出し当初の商品やサービスの場合、その告知や周知徹底は大事な要素です。まずは、顧客情報の獲得よりも、商品やサービスの認知を優先にしたレイアウトを試しましょう。
販売開始からある程度期間が経ったものの、成約率が上がらないケースでは、見込み顧客の数を上げる必要があります。顧客を掴んで離さないためには会員登録などに誘導する必要があります。これはプロモーションから一歩進んだステージです。
上記2つでどちらを選んだほうが良いのか悩んでいるなら、まずこの点でABテストを実践してみましょう。来訪者のサイト内での動きに次に繋がるヒントがあるはずです。
4.2リードマグネット
見込み顧客獲得の際、あなたの商品やサービスの魅力を最大限アピールするには、スポットを絞った表現が効果的です。来訪者が磁石のように引きつけられる様を模してリードマグネットと呼ばれます。
どのポイントに焦点を絞るのか、ABテストで決定していきましょう。
4.3ディスカウント価格
期間限定の割引価格を設定するなら、その価格の下げ幅もABテストで比較できます。
あまり値段を下げすぎると、見込み顧客から疑われてしまう可能性もあります。どの程度の下げ幅が良いのか、確認してみましょう。
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4.4.キャンペーンデザイン
テンプレート・モバイルでの視認性・レイアウト(カラムの数)・フォントや背景色・キャッシュの取り扱いなどプライバシー情報管理の説明文・使用する画像の選定・画像か動画か、などが判定対象になります。
デザインに関しては、現状ページとテストページで、複数の要因で差をつけてしまうと何が効果があったのか判然としません。手間はかかりますが、以下の1つ1つ要素を絞って検証していく姿勢が必要です。
色・フォント・アイコン・押下した際のアクション・YesとNoの選択肢を設けるかなどが判定対象です。
色や画像に関しては注目が集まりますが、意外と見落とされがちなのがCTAに直結するボタンです。「購入する」「メールアドレスを登録する」で終わらせていませんか?キャンペーンを張るのであれば、その商品に特化した文面であるべきです。「20%引きで商品を購入する」「クーポンコードを利用して購読する」など、目を引くようなコピーをボタンの中に配置してみましょう。どういったコピーが良いのかもABテストで見極めていきます。
4.5コピー
いくら良い画像や動画を用意しても、コピーの文面との相性が良くなければ、なかなかコンバージョンに結びつきません。コピーを吟味することもサイト上での成約率の向上や顧客の獲得に結びつきます。
本文中の文章、サブで書かれている補助的なコピー、ボタンの周りに書かれているキャッチーなコピー、こうしたすべての文章が判定対象です。
ぜひパワーワードなども参考に、より読者の興味の惹きつけるコピーを使用していきましょう。印象に残る数字を使っていくのも有効な手段です。
また、読者への働きかけとして「どの程度親密さを表現するか」も大事な判定要素です。少し距離をおいたほうが読者に刺さるのか、友達感覚で語りかけるスタイルの方が刺さるのか、ABテストでじっくり検証してみましょう。
4.6レビューや体験談、第三者の感想の取り扱い
CTAを喚起するボタンの周りに設定するのか・どういったレビューを使うのか・統計上のデータを取り扱うのか、こういったことも判定対象になります。
クチコミがあると安心してしまう心理があるように、最後の決断シーンでそれを後押しするようなレビューなどがあると、クリック率が上がる傾向があります。
ただし、これはくどいと思われる可能性もある諸刃の剣。こういった要素こそ、ABテストの検証価値が大きい比較対象です。
4.7サイト内での機能
ポップアップをどのように使うかも判定対象です。画面隅に出るような形にするのか、真ん中に出てくるようにするのかも重要な判定要素。
合わせて、サイドバー(3カラムあるのであれば右端の列)の取り扱いにも注目してみましょう。ここに申し込みフォームを最初から設けておくことも、一覧性を上げ、成約率を上げるのに有効な手段です。
ポップアップの欄外に抜ける手段として「x」ボタンを装着するのか、ただ欄外をクリックするだけで済ますのか、こういった点も判定対象です。
ポップアップは容易に告知できる手段ではありますが、来訪者に気持ちよく滞在してもらうにはどういった施策が有効なのか、熟慮が必要な点です。
4.8商品販売の手法
アップセルとして、既存顧客をターゲットに絞り、より上位の商品やサービスをアピールすることも有効でしょう。
全方位にアピールするのか、範囲を絞ってセールスしていくのか決断する際にもABテストは有効です。
期間限定で割引価格でアップセルに誘導することも、マーケティングの1つの手法です。また顧客を離さない方法としてダウンセル、下位の商品群を設けることも有効でしょう。
抱合せの販売手法(クロスセル)もあります。「今このパッケージを買うなら、これも同時購入するとお得だし、より効果が出ますよ」という販売促進術ですね。この導入可否もABテストの判定対象です。
クロスセルに関連するものとして、購入ボタンの動作に関し、「直接決済画面に誘導する」のか「他の商品を紹介するなどワンクッションを置く」のか、こういったも判断もABテストで顧客の反応を頼りに見極めができます。
4.9その他の挙動判定
ポインタを左上にもっていった際のサイトの挙動も設定可能です。
左上は多くの場合ブラウザの「戻るボタン」などが設置されています。ポインタがその方向に動いたということは、サイトから離脱されてしまうことが予想されます。そういった際に、再度キャンペーンのポップアップを表示したり、ディスカウント情報を流すことで、見込み顧客の外部遷移を思いとどまらせることが可能です。こうした点もどういった施策が有効なのかABテストで判定できます。
なかなか会員登録してくれない来訪者に対しては「読む暇がない?今登録だけして後日読んでも良いですよ。」というようにさりげない形での登録をおすすめするポップアップを構築してみても良いでしょう。
5.まとめ
今回は、ECサイトやLPの効果をより最大化するための施策であるABテストについて解説しました。
より良いサイトにするためには、検証対象は数限りなくあります。初めから全ての要素をABテストの対象にしてしまうと、キリがありません。
今解説ではキャンペーン時に有効な施策をご紹介しました。これはLP制作時にも有効です。
まずはシンプルなページや、期間を区切って試してみることで、ABテストの効果を検証してみてはいかがでしょうか。
AutoPilotAcademyでは、有効なABテストのヒントになる講座も解説しています。是非チェックしてみてください。
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執筆者:AutoPilotAcademy編集部
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監修者:小池英樹
AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。