FacebookやInstagramをはじめとするソーシャルメディアが人気を集め、アプリ経由でインターネットを利用するユーザーが増えた今もなお、検索エンジンとしてのGoogleの存在感は圧倒的です。
Googleにインデックスされているwebページは130兆以上、1日あたりの総検索回数は35億回以上に達し、たとえばSEO対策1つをとっても、いかにGoogleから評価されるか、Googleの理念や価値基準にフィットするコンテンツをいかに形にしていけるかというのが大きなテーマとなっています。
そういった点でGoogleはもはや情報通信におけるインフラ、ライフラインの1つといっても過言ではありません。ここ2~3年はいわゆる「GAFA」の筆頭として、テレビ番組などでGoogleの社会的影響力がフォーカスされる機会も増えてきました。
今回取り上げるのは、そんなGoogleの主要サービスであるGoogle広告。広告プラットフォームとしての概要や歴史を簡単に整理したうえで、Google広告の種類と料金体系、実際に出稿する際のポイントをご紹介していきます。
これからwebマーケティングに取り組む方、ネット広告の基本を押さえておきたいといった方はぜひご一読ください。
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Google広告とは?
Google広告とは、Googleが提供している広告出稿サービスの総称です。検索キーワードに応じて表示されるリスティング広告、webサイトに表示されるディスプレイ広告のほか、Google傘下のYouTubeに出稿できる動画広告(インストリーム広告、バンパー広告など)が含まれます。
もともとは「Google AdWords」というブランド名で2000年にリリースされ、2002年には日本国内でもサービス開始。以降、検索エンジンの進化にあわせてアップデートを重ねながら、利用者数を急速に伸ばしてきました。その広告収入は2019年時点で15兆円以上にのぼり、Googleの親会社であるAlphabet Inc.の売り上げの95%以上を占めるとされています。
ちなみに、検索キーワードに応じた広告を表示する仕組みはGoogle独自のものではなく、競合として検索エンジン開発を手がけていたGoTo.com(後のOverture社)が構築したビジネスモデル。
そのためGoogleはOvertureから特許侵害をめぐる訴訟を起こされていましたが、2004年に和解が成立。その後はOvertureがYahooの完全子会社に収まったこともあって、検索連動型を中心とするGoogle広告がネット広告の代名詞的存在となりました。
Google広告の種類
続いてGoogle広告の種類について見ていきましょう。
1.Googleリスティング広告
広告主があらかじめキーワードを設定しておくことで、ユーザーがそのワードで検索した際に表示される広告です。
掲載場所はオーガニック検索(自然検索)結果の上の部分。リンク先のURLとあわせて最大30文字までの見出し、最大90文字までの説明文が表示されます。仕様については頻繁にアップデートされており、2018年以降は複数の説明文を組み合わせることもできるようになりました。
広告フォーマットとしての特徴は、手軽に利用できること。もちろん予算の確保やアカウント登録といった最低限の準備は必要になりますが、最低金額の制限がなく、1日1,000円程度の予算からでも出稿できます。あわせて広告自体もテキストのみのシンプルな形をとっているため、デザインや画像編集に時間をとられることもありません。
実際のところ、webマーケティング施策の最初のステップとしてGoogleリスティング広告の出稿から始める中小企業やSOHOは少なくないようです。
2.Googleディスプレイ広告
GmailやYouTubeといったGoogleのサービス、メディアサイトを中心に、提携しているブログやポータルに掲載される広告です。リスティング広告同様の説明文に、jpgやgif形式のバナー画像、さらに動画も組み合わせて出稿できます。
当然ながら盛り込める情報量は多く、アパレル、アクセサリーといったデザインが売りとなる商材、あるいはテキストでの説明が難しい無形商材(人材紹介サービス、コンサルティングなど)の訴求には非常に適した広告フォーマットと言えるでしょう。
また、細かなターゲット設定ができるのもGoogleディスプレイ広告の特徴の1つ。年齢や性別、家族構成といったユーザー属性はもちろんのこと、特定のwebサイトへの訪問履歴、ネットショップでの購入履歴などを配信条件として設定しておくことで、幅広い層へアプローチできます。
3. YouTube広告(Google動画広告)
名前のとおりYouTubeで配信される広告です。YouTube動画の冒頭や途中に5秒間再生され、その後スキップ可能な「インストリーム広告」、同様に6秒間再生され、スキップができない「バンパー広告」、検索結果画面にサムネイル表示される「ディスカバリー広告」の3種類に分けられます。
YouTube広告ならではの特性としてあげられるのは、若年層との親和性の高さ。あるリサーチによれば10代~20代の90%以上がYouTubeを利用しており、1日あたりの視聴時間もテレビのそれを大きく上回っています。ファッションや低価格帯のグルメなど、若年層がメイン顧客となる商材のプロモーションと相性が良い広告です。
また、クロスメディアしやすいのもメリットの1つ。YouTube広告として作成した動画はそのまま自社のwebサイトやSNSアカウント、街頭のデジタルサイネージで配信できます。そうした配信面を上手く組み合わせれば大きな相乗効果を得られるのではないでしょうか。
料金体系
次は料金について。Google広告の料金体系は主に2つ、クリック課金とインプレッション課金です。
クリック課金
ユーザーが広告をクリックするたびに料金が発生する方式です。業種や商材、広告主の品質スコア(※広告文とランディングページの関連性などから算出されるスコア)によってクリック1回あたりの単価が決まります。
競合が少なければ単価は安くなる反面、医療や人材、不動産など、リスティング広告を利用している事業者の多い業種では品質スコアとの兼ね合いで1クリック1,000円を大きく超えることも珍しくありません。その一方、クリックされなければ一切料金はかからず、無駄打ちを抑えられます。
インプレッション課金
広告が1,000回表示された時点で課金される方式です。クリック数に関係なく(ユーザーが広告のリンク先ページを訪問したかどうか関係なく)広告費がかかるので、一見費用対効果が薄いようにも思えますが、その分、毎月一定額の予算で運用できるというメリットがあります。
上記の広告フォーマット別に見ると、Googleリスティング広告とGoogleディスプレイ広告は、予算や運用方法にあわせてクリック課金/インプレッション課金を選択可能。
YouTube広告に関しては、インストリーム広告とディスカバリー広告が動画をクリック(再生)し、一定の視聴時間を経た後に料金が発生する方式。スキップできないバンパー広告のみ表示1,000回ごとに料金がかかるインプレッション課金の形をとっています。
Google広告を出稿する際のポイント
ここまでGoogle広告の種類と料金について見てきましたが、実際に出稿する際はどんな点に気をつけるべきなのでしょうか?最後にGoogle広告を利用するにあたっての3つのポイントをご紹介します。
目的に応じて使い分ける
まず何より大切なのは、目的に応じて使い分けること。たとえばGoogleリスティング広告は低予算で手軽に出稿できる反面、テキストのみのフォーマットなので訴求できる情報量が限られます。前述のとおりビジュアルで訴えたい場合、デザインに強みがある商品を売り出したい場合などはGoogleディスプレイ広告、YouTube広告に分があるでしょう。
使い分け・選択が大事なのは料金体系についても同じこと。購入や予約獲得までのコストを抑えたいのなら無駄打ちの少ないクリック課金がおすすめ。それに対してブランディングを重視する場合、「自社(あるいは商品)の存在を広く知ってもらいたい」といった場合は、インプレッション課金の方が成果を見込めるはずです。
ターゲットを絞る
コストをかけて広告を出す以上、より多くの人に見てもらいたい気持ちはわかりますが、ターゲットを広げ過ぎるのはNG。たとえばリスティング広告の場合、やみくもにキーワードを紐づけても上位表示は望めないうえ、品質スコアが下がって運用に悪影響を及ぼします。
また、ディスプレイ広告やYouTube広告も同様、露出拡大だけを先走り、配信条件を広げ過ぎればユーザーに飽きられるうえ、場合によっては「しつこい」、「ウザい」といった広告主へのマイナスイメージを生み出しかねません。事前に出稿の目的をしっかり定め、ターゲットを絞り込みましょう。
成果を急がない
上記2点とあわせて成果を急ぎ過ぎないのも大事なポイントの1つ。Google広告は世界中で利用されており、そのなかでライバル他社と競いながら成果をあげていくには、クリエイティブの見直しから予算配分まで地道なオペレーションが不可欠だからです。
自社で運用する場合も、ネット広告代理店などに運用を委託する場合も、短期間で売り上げや収益が出ないからといって早々に見限ってしまうのは避けるべきだと思います。
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執筆者:AutoPilotAcademy編集部
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監修者:小池英樹
AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。