機会を損失したくないという人間の持っている不安心理を刺激して、売上拡大につなげる方法を知りたいのであれば、この記事はあなたのためのものです。私たちはあなたがFOMOマーケティングを実践するのに役立つ最新版の情報をご紹介します。
FOMO[フォーモ]とは?
FOMOは「Fear Of Missing Out」の略語で、「失うことへの恐怖」という意味の言葉です。自分の知らない場所で魅力的なイベントが起こっていて、機会を見逃しているのではないかという不安心理、それがFOMOです。
FOMOは、ソーシャルメディアでイベントに関する投稿を見ることで、引き起こされることがよくあります。
以下がFOMOが喚起されている際の人々の心理です。
「大売り出しの広告を見たときに、FOMOを感じました!」
「週末に、友人が旅行に行く予定ですが、私は参加できません。大きなFOMOを感じました!」
「最新のiPhoneが発売されました。まだ手に入れていないので、FOMOを感じます!」
FOMOという言葉は、アメリカのベンチャーキャピタリストであり作家でもあるPatrick J. McGinnis[パトリック・ジェームス・マクギニス]が2004年に発行された論説で、ハーバードビジネススクールの社会生活における記事で使われた用語です。
2020年5月には、Patrick J. McGinnis氏により、Fear of Missing Out: Practical Decision-making in a World of Overwhelming Choice[喪失への恐怖:選択の世界における実践的な意思決定]の著書が新たに刊行されました。
現在、マーケティング担当者は、FOMOをコンバージョン率最適化の戦術として主に使用しています。これは、消費者にとって、対応せざるを得ない心理的なトリガーといえるからです。
いくつかの実際のFOMOマーケティングの例を見てみましょう
ホテル予約サイトのBooking.comでは、「選択中の日程では東京の空室は残りわずか! 当サイトでは、似た条件の3つ星のホテル5軒が既に予約不可になっています。」と空室がわずかであることを伝えることで、人々に予約を促しています。
また、リクエストの多い映画を映画館で上映するドリパスでは、「販売終了まであと1日5時間37分27秒」とカウントダウンタイマーを表示して、この取引が限られた時間だけであることをユーザーに知らせています。これにより、消費者は機会を損失して、手遅れになる前に行動を起こすようになります。
以上がFOMOマーケティングの実際の例です。次に、FOMOに関する統計データを見てみましょう。
FOMO統計データー
この記事では、FOMOマーケティングの真の力を知るために、FOMO統計データをいくつかご紹介します。
まずはFOMOを最も多く体験しているグループを知りましょう。
FOMOを体験するのは誰ですか?
調査によると、FOMOを最も経験している特定の世代が1つあります。
その世代とは、「ミレニアル世代」です。
ミレニアル世代の定義は以下の通りです。
・およそ1982年から1996年の間に生まれたので、22歳から36歳の世代です。
・米国には8310万人のミレニアル世代がおり、同国の歴史上最大の世代です。
ミレニアル世代は衣食住で支出の多い世代です。次のことに多くの支出をしています。
・食料品
・ガス
・レストラン
・スマートフォン
・趣味、電子機器、衣類
参照:Millennial Spending Habits and Why They Buy[ミレニアル世代の支出習慣と購入理由]
ミレニアル世代はデジタルネイティブと呼ばれる世代にも相当し、世界中のアクティブなソーシャルメディアユーザーがこの世代に相当します。
次に、ミレニアル世代がFOMOでどのような影響を受けているかご紹介します。
・ミレニアル世代の69%がFOMOを経験している
・世帯収入の多いミレニアル世代ほど、FOMOを経験する可能性が高く、ソーシャルメディアで経験を共有する可能性が高い
ミレニアル世代はソーシャルメディアチャネルでの経験、イベントや思い出を「もの」以上に大切にするという傾向があります。
FOMOはどのような影響をもたらしますか?
FOMOは人々の心理に影響を及ぼすものです。以下はFOMOがどのように人々に影響を与えているかを示しています。
・FOMOで経験したほとんどの感情は悲観的なものに感じれらます。39%が羨ましいと感じ、30%が妬ましいと感じ、21%が悲しみもしくは失望を感じ、幸福を感じているのは29%のみでした。
・しかし、同じ統計データでは、ミレニアル世代が妬ましいと感じるとともに、より肯定的な見方をしていて、FOMOの感情をより積極的な購入や体験などの行動を起こす動機付けの要因として使用していることを示しています。
・ミレニアル世代の消費者の60%は、FOMO体験後、ほとんどの場合、24時間以内に購買活動を行っています。
・FOMOの調査では、調査対象のミレ二アル世代のほぼ半数がライブイベントに参加しているため、情報をオンラインで共有することができます。
・ミレニアル世代の40%が、友人に遅れまいと貯金を使い果たしたり、借金をしたりしています。
ソーシャルメディア上のFOMO
FOMOはソーシャルメディアとともに産まれた概念です。
ソーシャルメディアから数日離れたところにいると、重要な情報を見逃してしまいます。また、テクノロジーにより、これまで以上に人とつながりを維持できるようになったため、ソーシャルメディアに対する依存症は増え続けています。
以下は、ソーシャルメディア固有のFOMO統計です。
・56%の人々が、ソーシャルネットワークから離れている場合、イベントや重要な情報を見逃すことを恐れています。
・FacebookユーザーはFOMOの最も一般的な投稿者であり、72%に相当します。次にInstagramユーザーが14%、Twitterユーザーが11%、Pinterestユーザーが8%と続きます。
・約51%の人々が2年前よりもソーシャルネットワークに頻繁にアクセスもしくはログインしています。
・約27%の人々が目覚めるとすぐにソーシャルメディアに向かいます。
・ミレニアル世代の間でFOMOを作成する大きな要因は、旅行(59%)、パーティーやイベント(56%)、そして食べ物(29%)です。
参照:Report: 56% of Social Media Users Suffer From FOMO[レポート:ソーシャルメディア利用者の56%がFOMOに悩まされている]
以上はFOMO統計の基本です。次に、FOMOマーケティングで売上を伸ばすのに役立つFOMO統計を見てみましょう。
オンラインレビューとFOMO
オンラインビジネスを運営している場合、顧客レビューがあなたのビジネスの成功にどれほど重要であるかは既にご存知のことでしょう。レビューは、新規顧客を引き付け、顧客体験を向上させるのに役立ちます。さらに、オンラインレビューはFOMOを引き起こすのにも役立ちます。消費者は、他の人があなたの製品やサービスに満足していることに気づいたら、自分でも購入したいと思うでしょう。
これは、あなたのビジネスでFOMOを使用して、より多くの売上を生み出す方法の一つです。
FOMOとオンラインレビューの統計情報を以下に示します。
・調査によると、オンライン消費者の92%が購入前に製品レビューを見ています。
・製品のレビューは、製品の説明やメーカーの販売の説明よりも12倍信頼されています。
・消費者の41%は、わずか1〜4件のレビューで製品を購入したいと思います。
参照:How do reviews impact customers’ purchase decisions?[レビューはお客様の購入決定にどのような影響を与えますか?]
ユーザー生成コンテンツでFOMOを作成する
ユーザー生成コンテンツ(UGC:User Generated Contents)は、ソーシャルメディアサイトなどのオンラインプラットフォームにユーザーが投稿した画像や動画などのあらゆる形式のコンテンツです。
UGCは、FOMOマーケティングの1つの効果的な方法です。
オンラインレビューと同様に、ユーザーがソーシャルメディアで友人が投稿した新製品の写真を見れば、ユーザーも自分でそれを取得したいと思うでしょう。
UGCとFOMO統計の関連性を見て、この戦略がどれほど効果的かを見てみましょう。
・ミレニアル世代は1日に18時間、ソーシャルメディアを使用し、その時間の30%がUGCの閲覧に費やしています。
・85%の消費者は、ブランドの写真や動画よりも視覚的なUGCのほうが影響力があると感じています。
・48%の顧客は、UGCは新製品を発見するための優れた方法であると答えています。
・ミレニアル世代の84%が、UGCが購入内容に何らかの影響を与えると報告しています。
・UGCをWebサイトに組み込んだ企業の収益は18%増加しています。
参照:21 User-Generated Content Stats You Need To Know[把握しておく必要があるユーザー生成コンテンツの21の統計情報]
これらのUGC統計から分かる重要ポイントは、人々があなたのマーケティングよりも他の人々の評価を信頼しているということです。ブランドから商品についての紹介を聞くのではなく、彼らは彼らと同じように消費者の真の意見を信じます。そのため、社会的証拠を提示することで、ブランドをより信頼できるものとして即座に位置付けることができるようになります。
Boom!は、人々が化粧品を使用して実際にどのように見えるかを示すことにより、社会的証明の要素を立証しています。これは、UGCをWebサイトに組み込んでいる効果的な例です。
参照:Boom!
ウェブサイトの訪問者は、製品を使用している他の人の素晴らしい例を見ると、自分で試してみたくなります。
また、FOMOなどのソーシャル証明ツールを使用して、WEBサイトにソーシャル証明を表示することもできます。
FOMOは、WEBサイトでリアルタイムのアクティビティを表示するソーシャルプルーフ通知アプリです。誰かがあなたのメーリングリストに登録したり、デモに登録したり、購入したりするたびに、ウェブサイトの訪問者への通知を表示します。そして、それは信頼を築き、FOMOを作成します。
社会的証明は、コンバージョン率を最大15%増加させることができます。
希少性と緊急性を創出する
前述したように、FOMOの意味は見逃すことの恐怖であり、買い物客が見逃すことを嫌う心理です。今日では、多くのマーケティング担当者は希少性と緊急性を使用してFOMOを作成しています。
買物客が取引が長続きしないことを知っている場合、または商品がいくつかしか残っていないと知っている場合、彼らは手遅れになる前に必ず行動を起こすことでしょう。
これはAmazonの例です。
12/1までに購入すれば、服・シューズ・バッグ・ジュエリーなどの商品の価格に15%OFFが適用されるセールを行っています。
人々はこの機会を逃すまいと、セールが終了する前に商品を購入します。
FOMOマーケティングでの希少性と緊急性の使用に関するこれらの統計をご覧ください。
・商品が不足している場合、それらはしばしばより価値があると認識されます。
・希少性が認識されている状況では、消費者は購入の緊急性などの購買行動を示します。
・カウントダウンタイマーと期間限定のオファーは、結果の感覚と逃すことへの恐怖を生み出します。タイマーが存在することで、コンバージョン数が8.6%増加しました。
参照:8 Stats About Urgency and Scarcity That’ll Surprise You[あなたを驚かせる緊急性と希少性に関する8つの統計]
結論
ソーシャルメディアで日々の活動に関する情報が人々の間で共有されることが一般的になることで、FOMO(逃すことへの恐怖)は、人々の間で一般的な感覚になり、購入意欲を左右する大きな要因になりつつあります。
あなたは、FOMOマーケティングのスキルを習得することで、見込み顧客や顧客の購買心理を刺激することができます。