ニュースフィード、専用の広告枠のほか、Instagramや提携アプリにも配信できるFacebook広告。以前別の記事でも紹介しましたが、Facebook自体がビジネスと親和性が高いこともあって、物販やサービスの認知拡大などさまざまな局面に効果を発揮します。
たとえば、健康食品を取り扱うあるネットショップではアジア圏からのニーズを見越してFacebookの動画広告を配信したところ、広告経由の売り上げが40%以上アップ。別の人材関連サービス会社では、ライバル他社に先駆けてFacebook広告を出稿したことで新規会員の獲得単価を従来の約1/2に抑えることができました。
そんなFacebook広告を利用するにあたって欠かせないのがターゲティング設定。今回はFacebook広告で用意されている3種類のターゲティングにスポットを当て、それぞれの概要と設定する際の注意点をご紹介してきます。
Facebook広告を活用して、低コストで多くの購買意欲の高い見込み顧客にアプローチできる方法を解説しています。本講座をご受講頂いて、あなたのビジネスでFacebook広告の運用を開始してください。そして、Facebook広告を活用して、あなたの商品やサービスの認知度を高め、需要を喚起し、売上を伸ばしてください。
3種類のFacebook広告ターゲティング機能
前述のとおり、Facebook広告には以下3種類のターゲティング機能が用意されています。
1.コアオーディエンス
ターゲットの年齢・性別・居住地といった属性や、投稿内容や「いいね!」にもとづく興味・関心、ライフスタイル、過去のwebサイト閲覧履歴、ネットショップでの購入履歴などを任意で指定できるターゲティング機能です。
たとえば、年齢については13歳~65歳まで1歳刻みでの設定に対応。居住地・現在地は郵便番号や市町村別の絞り込みのほか、特定の住所から半径80kmまでのエリアを対象とし、エリア内に住んでいる人や最近訪れた人など、さらに細かい条件を掛け合わせてターゲット指定することも可能です。
また、興味・関心・ライフスタイルについてはリスティング広告のキーワードのように、特定の条件を除外することでよりピンポイントなターゲットに向けて訴求できるので、うまく工夫すれば広告の費用対効果を大きく高められるでしょう。
実際、Facebook自体が実名登録制ということもあってコアオーディエンスの精度は非常に高く、3種類のターゲティング機能のなかでは最も多くの広告主が利用していると言われています。
2.カスタムオーディエンス
webサイトへの訪問やメールマガジンの購読、スマートフォンアプリのインストールなど、既に広告主と接点がある人をFacebookユーザーのなかから見つけ出し、広告の配信ターゲットとして指定する機能です。
指定条件は非常に細かく、自社サイトへの訪問履歴のあるFacebookユーザーのうち滞在時間の上位5%をターゲットとして抽出したり、アプリのアクティブユーザー上位10%のみに対して広告を配信したりすることが可能。自社の製品・サービスのリピートを促したい場合や、ネットショップでクロスセルやアップセルを図りたい際にはうってつけのターゲティング方法だと思います。
その一方、母体となる既存顧客や見込み顧客のデータが少ないと、ターゲティングの幅も限られてしまうので注意しましょう。顧客データを蓄積していくためにはFacebookのアカウント運用とあわせて、オウンドメディアを通じたコンテンツマーケティング、メルマガの継続的な配信といったマーケティング施策も必要になってきます。
そういった点で前述のコアオーディエンスと比べると、やや上級者向けのターゲティング機能と言えるかもしれません。
3.類似オーディエンス
作成済みのカスタムオーディエンスに含まれるFacebookユーザーの共通点を探し出し、類似する特徴を持つユーザーをグループ化して広告を配信する機能です。
Google広告などにも同様の機能が搭載されていますが、実名制のFacebookでは行動履歴に加えて正確な属性情報(年齢・性別など)によっても配信先がフィルタリングされるため、他の広告メディアの類似オーディエンスと比べてより精度が高いと言われています。
類似度については10段階のパラメータに分けられており、任意に選択ことが可能。1を選べば広告の配信先は既存オーディエンスに酷似したユーザーのみに絞られます。一方で3→5→10とパラメータを上げていくと配信対象は広がる分、既存オーディエンスとの類似度が低くなっていくという形です。
類似オーディエンスのメリットとしては、勝ちパターンを継承したうえでさらなる成果の積み上げが期待できること。アプリの利用履歴やネットショップの購入履歴があるユーザーに近い対象に広告を配信することでコンバージョンを担保しつつ、やや興味・関心が薄い層、既存のアプローチでは囲い込み切れなかった層に対してもリーチできます。
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ターゲティングの際のポイント
続いては実際にターゲティングする際のポイントについて。2つに分けて見ていきましょう。
1.重複を避ける
ここまでご紹介してきたとおり、Facebook広告はユーザーの年齢や居住地、webサイトの訪問履歴などをもとに非常に細かいターゲット設定が可能です。それゆえに、知らず知らずのうちの指定条件が重なり、同じオーディエンスが散在してしまうケースが少なくありません。
たとえば前述の類似オーディエンス機能を利用して、類似度上位1%のオーディエンスと上位2%のオーディエンスを別々に運用するケース。一見使い分けができているようにも見えますが、当然のことながら上位2%のなかには上位1%のユーザーも含まれるため、全体の半分は重複しているわけです。
こうした重複が起こると同じ出稿主の広告が競合してしまうえ、コンバージョンなどの広告効果を正しく把握するのが難しくなります。指定条件には常に気を配り、必ず重複を避けるようにしましょう。
ちなみに目視での確認が難しい場合は、Facebook広告のチェック機能を利用するのがおすすめ。広告管理画面から対象オーディエンスにチェックを入れ、画面上部の「オーディエンスの重複を表示」をクリックすると、AI(人工知能)が算出した重複率を確認できます。
2.細分化しすぎない
緻密なターゲティングが可能なゆえにオーディエンスを細分化しすぎてしまうのも、Facebook広告で起こりがちな失敗です。
現在のFacebook広告はAIが入札戦略をコントロールしており、AIが円滑に機械学習を進めるためには、1週間あたり50件以上のコンバージョンが必要とされています。
ペルソナを意識してオーディエンスを細分化しすぎてしまうと十分なコンバージョンを得られず、機会学習の妨げとなって広告全体の費用対効果が低下しかねません。
ターゲティングの仕方は商材の特性によっても変わってくるので一概には言えないものの、一般的に3歳、5歳といった細かいレンジでの年齢指定や、狭すぎるエリア指定は避けた方がいいでしょう。
また、AIを活かすという点では、詳細ターゲットの拡大オプションを利用するのも大事なポイントの1つ。
このオプションを有効にしておくと、AIの判断によって広告主が指定した以外のターゲットへも広告を配信できます。
あわせてコンバージョン実績にもとづいて、より少ない広告費で効果が見込めるオーディエンスへ予算が自動配分されます。機会損失を未然に防ぎ、Facebook広告の効果を高めるためにも積極的に活用しましょう。
最後に
今回はFacebook広告における3種類のターゲティング機能についてご紹介しました。前述のとおりFacebookは非常に細かいターゲティングができる反面、広告効果を高めるためにはオーディエンスの重複防止など運用面の工夫も大切になってきます。
今回の内容がFacebook広告の出稿を検討している方や運用方法に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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執筆者:AutoPilotAcademy編集部
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監修者:小池英樹
AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。