アントレプレナー(起業家)とは?

アントレプレナー(起業家)とは?

アントレプレナーとは何でしょうか。なんだか聞き慣れない響きですが、事業をゼロから生み出す人。起業家と言っても良いでしょう。

フランス語由来の英語をさらにカタカナで表記するので、日本人にはその語感に違和感がありますよね。ビジネスやマーケティング領域の言葉は英語のまま使うことが多いので、どうしてもカタカナが増えてしまいます。

今回はそんなアントレプレナーについて、定義や「経営者」との違い、求められるスキルや能力などについて解説していきます。

起業を目指す方や、スタートアップで働くことを選ぶ方、また大企業で働く方にも、その実態を知っておいていただきたい内容になっておりますので、是非最後までご覧ください。

アントレプレナーとは?経営者とは何が違うのか

さて、皆さんはアントレプレナー(起業家)と経営者の違いを説明できるでしょうか。

意外と大企業の会社員の方でも混同しがちなのですが、起業家と経営者は似て非なるものです。

起業家が経営者をしている場合は多いですが、経営者が起業家であるとは限りません。

日本で一番有名な会社であるトヨタの現社長は豊田章男氏ですが、トヨタの創業は氏の誕生よりも前のことなので、当然創業者ではありません。

経済成長期から長い時間が経過している日本の企業では創業者から経営を受け継いだ人が経営をしている場合が多く、その担い手は「プロ経営者」と呼ばれる「社長の専門家」のような人や、社内で出世した後に経営者になる「サラリーマン社長」と呼ばれる人もいます。

「所有と経営の分離」にも関わってくることですが、特に上場企業では創業者が社長ではなくなるのもよくある話です。最も有名なのは自分で作ったApple社を一度は追われたスティーブ・ジョブズ氏でしょう。

日本の起業家で有名なのは、ソフトバンク・孫氏、楽天・三木谷氏、サイバーエージェント・藤田氏など。星野リゾートの星野氏も経営者としてとても有名ですが、元々あった家業がベースになっているので起業家とは呼ばれません。

起業家の最大の特徴は「ゼロから価値を生み出すこと」これはある意味で選ばれたものにしかできない特殊な仕事で、最近ではスティーブ・ジョブズがiPhoneで世界を変えたように、時に世の中に大きなインパクトを与えます。

日本では家入氏が有名ですが、連続的に起業をしていく人のことをシリアルアントレプレナーともよび、「起業が得意」なビジネスマンも存在します。

アントレプレナーに必要な資質やスキルとは?

さて、そんなアントレプレナーになるために必要なスキルは何なのでしょうか。その問いに対する答えは「答えはありません。」になるでしょう。

ゼロから価値を生み出す時に正解があるはずもなく、したがって「これがあれば大丈夫」というスキルは存在しません。

スキルや学力、頭の良さが起業の成功につながるならば、例えばマッキンゼーやBCGのようなトップ戦略コンサルタントが起業すれば成功するはずですが、必ずしもそうでもありませんし、逆にごく一般的な人が好きでやっていた趣味が大当たりして、結果として起業につながるパターンもあります。

ホリエモンの愛称で知られる堀江氏は常々「小利口はダメ」「バカになれるひとが強い」といった主旨の発信をしています。

起業家に必要なスキルというのはないにしても、必要な資質を考える時にこの発信はヒントになります。

・リスクを恐れず行動すること
・情熱を持って事業に打ち込むこと
・失敗してもまたすぐ次の挑戦をすること

様々な起業家の著書や発信を見ているとこの辺りが必要な資質として浮かび上がってきます。

起業の世界では「1勝9敗」という言葉がよく聞かれます。最初に立ち上げた事業がいきなり成功することは少ないし、最初の構想通りに行くこともほぼないことからです。

最近YouTuberとしても有名になった「まこなり社長」も繰り返し発信していることですが、今は成功して輝いている起業家も、そのほとんどは過去に失敗をしてきています。

そう考えれば失敗を恐れて行動をためらったり、一度の失敗で落ち込んで動けなくなってしまうようでは起業家として資質があるとは言えないのかもしれません。

ここ10年ほどで一気に成長した「Airbnb」という会社があります。今では世界中の人々が旅行をする際の宿泊先の選択肢の一つして広まりましたが、起業したときは「なんで今さらそんなことを?」という声が多かったそうです。

当時すでに「カウチサーフィン」という無料で旅人を宿泊させるサービスがあったことが大きな理由の一つですが、それでもAirbnbを創業した3人は諦めずにサービスを作り込み今日の繁栄を築きました。

先の堀江氏の「バカになれる人が強い」というにも繋がってきますが、新しいことをしようとすれば誰かに笑われるのもある意味当然で、そういった声に惑わされずに突き進んでいける芯の強さも必要だということでしょう。

また、成功した起業家のエピソードとして「あるある」なのが、「会社に泊まり込んだ」とか、「一日18時間働いた」といった「圧倒的な量をこなした」というものです。

起業家に労働基準法などは当然適用されません。「睡眠以外は全て仕事」とする覚悟と、それをやりきる信念や、胆力といったものも求められます。

アントレプレナーの収入は?

さて、気になるアントレプレナーの収入を考えてみましょう。

今回は起業家自身が100%株式を保有する株式会社を想定します。

まず当たり前ですが、自分が作った製品が売れなければ会社としての収入は「ゼロ」になります。

収入はゼロでも、家賃や人件費などの固定は毎月かかってきますので、売上を立て、売掛金を回収しない限りキャッシュフローはマイナス状態が続きます。

社長である起業家にも給料を出すことは可能ですが、100%株主の創業社長の場合あまり意味のある収入とは言えないでしょう。

事業が軌道に乗ってくれば、役員報酬も増額したり、役員賞与という形でボーナスを支給したりすることもありますが、結局ここも自分が決めるわけなので、あまり意味のある数字とは言えません。

個人の収入より会社の収支のほうが重要なのが100%株主の創業社長という立場です。

会社から個人に給料を払い出すとと法人税より高額な所得税がかかりますし、会社にキャッシュを残しておいたほうが事業に使いやすいことから、最初の段階の社長の給与は低く抑えていることが多いようです。

オンラインサロンや絵本などのビジネスを展開するキングコング・西野氏の会社は少なくとも年間数億円を稼ぎ出しているわけですが、社長である西野氏の給与は年間1,000万円程度だそうです。月収80万円ですね。

100%株主の創業社長にとっては給与の額というのはあまり意味がないということでしょう。

では、世の中の起業家が大金持ちになったのは一体どうしてでしょうか。

・株式公開
・事業譲渡

が、大金持ちになるタイミングです。

株式公開とは「会社を上場させる」ことで、IPO(Initial public offer)とも呼ばれます。

今まで100%自分が保有していた株式を市場に公開、販売することで、一気に数億~数十億円のキャッシュが入ってくることも。

創業メンバーに少しずつ株式をストック・オプションという形で渡しておくことで、共に大きな資産を築くこともでき、多くの企業が上場を目指す理由の一つになっています。

また、株式公開以外にも「事業譲渡」という方法もあります。

自分で育てた事業を他の会社に買い取ってもらうわけですが、これも場合によっては数百億円以上の金額になることもあり、一気に大金持ちになるわけです。

最近では個人で作ったWebサイトが高額で買収されたり、また買収元のリソースを活用してさらに事業を伸ばすことも可能で、起業家にとって大きな選択肢となっています。

売却したからと言って、必ずしも自分がその事業に関われないわけでもなく、買収後は買収元の企業の役員や社員という形で残り、引き続き関わっていくということもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。こういった話を聞いた起業家になりたい人、向いてない人共にいらっしゃるかと思いますが、起業家と従業員は優劣という関係性ではありません。

もちろん生み出した価値の大きさから起業家のほうが経済的にも社会評価的にも大きな物を手にしますが、起業家だけでは事業は成功しないのも事実。

自分の特性や資質を知り、自らを適材適所に持っていくのが重要だと言えます。

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

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監修者:小池英樹

監修者:小池英樹

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。