Eメールマーケティングで解析するべきKPIとその使い方

Eメールマーケティングで解析するべきKPIとその使い方

多様化の道を突き進み続けているWebマーケティングの世界ですが、最近はどういったツールが使われているのでしょうか。

数年前からLINE@を使う企業や店舗が増えましたし、ツイッターやインスタグラムは勿論、クラウドファンディングもWebマーケティング手法と言えるでしょう。

そんななか、根強い重要性を持っているのがEメールマーケティング。

メルマガであれダイレクトメールであれ、お礼状や季節ごとの挨拶であれ、顧客との関係維持構築、販売に向けて効果を発揮します。

一方で単にメールを送っているだけではなかなか効果が上がらないのも事実。

その他のWebマーケティング手法と同様メールマーケティングでも適切なKPIの設定と、分析・検証が必要になります。

今回は、メールマーケティングで設定するべきKPIはもちろん、「KPIってなに?」という方、またもう一つの重要指標であるKGIとの違いを含め、網羅的にご紹介いたします。

是非最後までご覧ください。

いまさら聞けない?KPIとKGI

冒頭でも触れましたが、世の中、特にビジネスの世界は驚くべきスピードで変化を続けています。

日々新しい言葉が生まれてきますし、新型コロナショックでさらに加速した感のあるWebマーケティングの世界はその最たるものかもしれません。

そんな中、追いつけていない言葉の一つや二つ誰にでもあると思います。

KPIやKGIは比較的昔からある言葉ですが、この記事を目に止めていただいたのを機に、しっかり理解していただければ幸いです。

KPIとKGIは本来セットで考えられるべきものですが、なぜかKPIのほうが聞く頻度が高いようです。

KPIとはKey Performance Indicatorの略で、日本語では重要業績評価指標と訳されますがこれは正直わかりにくいですよね。

むしろ英語のままで、パフォーマンスのキーになる部分をIndicate(表示する)するもの。と捉えたほうが飲み込みやすいかもしれません。

Indicatorという英単語は馴染みが無いかもしれませんが、日本でもいろいろな場面でインジケーターとカタカナで使うので、Indicator=インジケーターと結び付けられれば簡単です。

一方でKGIはKey Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標と訳されます。比較的こちらのほうがわかりやすく、「目標を達成してるかどうか測る所」と言った感じです。

となるとKGIを達成するために、設定して管理していくのがKPIとなり、本来セットで考えられると言ったのはそういった意味になります。

例えば、「売上アップ」をKGIとし、そのアップ幅を10%に設定したとしましょう。

このKGIを達成するために必要なKPIを設定していくわけです。メールからの自社販売サイトへの流入数○○%アップかもしれませんし、メールマガジンの発行頻度○○%アップかもしれません。

非常に注意が必要なところですが、「KGIを達成できるKPIを設定しないと意味がない。」ということです。

「メールマガジンの発行頻度」をKPIにするなら、発行頻度と売上の間に相関関係があることを確認しなければなりません。

相関関係と因果関係

少し余談になりますが、KPIを考える上で重要な考え方になりますので寄り道をします。

「相関関係と因果関係の違いを説明してください。」

と言われてスラスラ說明できますでしょうか?筆者自身、色んな人に投げかけてきた問いですが、特殊な職業の方を除いて正解が出たことはほぼありません。

KPIとKGIの間にはできれば因果関係、少なくても高い相関関係が必要になるからです。

因果関係というのは、「ある原因に寄って直接引き起こされた出来事や現象。」です。

近所に割引クーポン付きのチラシをポスティングしたら、割引クーポンを持って来店してくれた。というような関係性です。この場合は誤解が入り込む隙間がないので特に問題にはなりません。

問題になるのは相関関係の方で、相関関係とは「Aが上昇する時に、Bも上昇する傾向が認められる関係」という意味です。

「メールマガジンの発行頻度を上げたら売上も増えた」

という事象が認められるならば、発行頻度と売上は相関関係があると言える。かもしれません。

というのは、相関関係とは非常に誤解が生まれやすいものです。とてもわかりやすい例があるのでご紹介します。

ある統計をとった時に発見された相関関係に、

「ブロッコリーの消費量が増えると血中脂肪の数値も上がる。」

というものがあります。

これを見て、「ブロッコリーって実は脂っこい野菜だったのか!!」と思う人はあまりいないと思いますが、ブロッコリーをメールマガジンの発行頻度、血中脂肪数値を売上と考えるとどうでしょうか。

「メールマガジンの発行頻度を上げれば売上は上がる!」

と思い込んでしまうリスクが潜んでいます。

相関関係を誤解してしまう最大の要因が「未観測共通原因」です。AにもBにも作用するけど、まだ見つけていない原因です。

ブロッコリーと血中脂肪数値の相関関係における未確認共通原因は、

「マヨネーズ」

です。

ブロッコリーを食べる時にマヨネーズを使う人があまりにも多いため、ブロッコリーと血中脂肪数値に相関関係が生まれてしまったわけです。

ビジネスの世界では実に様々な要因が絡んで売上になっていきますので、ここの見極めが非常に重要になります。

メールマガジンの発行頻度のおかげで売上が増えていると思っていたけど、実は同時に発行しているクーポンのおかげだった、ということもありえます。

この辺りは統計学の「因果推論」と呼ばれる領域なので、興味がある人は勉強してみても良いかもしれません。

適切なKPIを設定するためには、KGIとの因果、相関関係をキチンと確認しておくことを忘れないようにしましょう。

メールマーケティングのKPIとKGI例と使い方

さて、では実際にメールマーケティングにおけるKPIとKGIを考えてみましょう。

KGIの例
・売上

これはわかりやすいですね。利益とは売上-経費になるわけですが、メールマーケティングは売上アップを狙う部分ですので、大抵の場合はKGIは売上アップになるでしょう。

これは単純な販売での売上だけでなく、広告収入などの売上も含まれます。

KPIの例
・メールを送った数
・メールが届いた数
・開かれた数
・クリックされた数
・実際に購入した数

上から次第に減少していく指標です。送った数以上に届くわけがないので当たり前ですが、実は重要な部分です。

Webマーケティングの基礎になる計算式に、

売上=PV数 x CTR x CVR x 単価

というものがありますが、考え方はこれと同じです。できるだけたくさんの人に送り、たくさんの人の元に届き、たくさんの人に開封してもらって、たくさんの人にクリックしてもらって、たくさんの人に購入してもらいたいわけです。

これらをKPIとして設定しておくことで、「売れない原因」を特定していくことも可能になります。

例えばメールが届いているのに、開封してもらえない場合は「メールの件名がダメ」であるという仮説が成立しますし、開封してもらえているのにクリックしてもらえないならば、「メールの本文がダメ」かもしれませんし、クリックしてもらってるのに売れない場合は「販売サイトもしくは商品そのものがダメ」かもしれません。

これらのKPIを見ていくことでPDCAサイクルを回していくことになります。

終わりなきPDCA

PDCAの話になりました。メールに限らずWebマーケティングの特徴として、数値を分析しながら修正を加えることができるという点があります。

紙のチラシならば印刷してポスティングすればそれまでですが、Webの場合は自社サイトの文言を変更したり、追加でメルマガを打ったりと、コストをかけずにどんどん修正が可能です。

メールマーケティングにおいてもこのPDCAを徹底的にやっていくことが大事になります。

先に紹介したKPIの例だけでも問題点を見つけ、仮説を立て、実際に配信して検証してみるというPDCAをメール配信の度に行うことができます。

PDCAを続けていく中で、どうしても結果が出ずに、「そもそもメール送っている相手が悪いのではないか?」という仮説が生まれるかもしれません。

特定の性別の人しか使わない商品の販売をしている場合はKPIに「性別比率」を入れる必要があるかもしれませんし、特定の年齢層によく売れる商品の場合は「年齢比率」が必要になるかもしれません。

このようにKPIも一度設定して終わりではなく、「本当に適切にKGIに繋がっている指標であるのか?」の検証も日々必要になります。

普段KPIしか耳に入ってこない理由はこの辺りにあるのかもしれません。

よく工場の現場などでKPIを掲示している場合がありますが、思考停止で「KPIをクリアすれば良いや」と認識されている場合が多々あります。

もちろん末端の従業員がKGIを意識し、KPIが適切かどうかを実務をしながら考えるのは難しいものがありますので、ここがマーケティング担当者の腕の見せどころということになるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

統計学などに少し話は逸れましたが、基本的には「論理的かつ定量的に」進めていくのがWebマーケティングでありメールマーケティングになります。

特にKPIは一度決めてしまうと思考停止に陥る危険性が常にありますので、今回ご紹介した内容を参考に、貴社のKGI達成の一助にしていただければ幸いです。


執筆者:AutoPilotAcademy編集部

執筆者:AutoPilotAcademy編集部

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監修者:小池英樹

監修者:小池英樹

AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。

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