2020年7月の経済産業省の発表によれば、日本国内におけるネット通販の市場規模は約19兆3,000億円。アパレル、食品、嗜好品など200万店舗を超えるショップがさまざまな商材を販売しています。また、近年ではメルカリをはじめとするフリマアプリも人気を集め、利用者数は右肩上がりに増え続ける一方です。
そうしたなかでライバルに打ち勝ち、ECで継続的に収益を得ていくためには、商品の質やラインナップはもちろんのこと、広告活用、ソーシャルメディアといったプラスアルファの施策が欠かせません。
その1つとして近年多くのネットショップが活用しているのが、今回取り上げるFacebook広告。Facebook広告とはどんなもので、なぜECと相性が良いのか。出稿することで具体的にどんな効果があるのか、事例を交えつつ詳しく見ていきましょう。
また、記事の後半ではネットショップの収益性を飛躍的に高めるリマーケティング施策についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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400万社以上に利用されているFacebook広告
Facebook広告は、全世界25億人以上にユーザー数を誇るソーシャルメディア・Facebookの広告プラットフォームです。
インプレッション(広告表示回数)、もしくはクリック回数にあわせて料金が課金される仕組みになっており、最低100円の予算から出稿することが可能。出稿した広告はFacebookのニュースフィード(投稿欄)と広告枠のほか、InstagramやMessenger、さらに「オーディエンスネットワーク」と呼ばれる外部アプリ(グノシーや、食べログ、ジョルダンなど)にも掲載されます。
Facebookのサービス拡大にともない広告メディアとして成長を続けていて、広告主は400万社以上。日本でもネットショップをはじめ、飲食店、サービス店舗など多くの事業者がマーケティング施策の一環として活用しています。
ネットショップと相性が良い理由
いずれもスマホユーザーが圧倒的主流
マーケット調査の専門会社・MMD研究所が2018年に行ったリサーチによると、ネット通販で利用される端末の割合はスマートフォンが81.3%。PC、タブレットとは圧倒的な差があり、10代、20代の若年層にはスマホでしか買い物しないというユーザーも少なくありません。
一方のFacebookもスマホユーザーのシェアが90%以上に達していて、この割合はFacebook広告の配信先であるInstagramやグノシーといったアプリでも同様です。これらの配信面にモバイルに最適化された広告を掲載することで、ワンタップで商品ページへ誘導できます。
無駄打ちが少ない
Facebookは基本的に実名登録制で、利用するユーザーの大半が本名のほか、年齢、性別、居住地、勤務先といったパーソナルな情報を登録しています。
Facebook広告ではこれらの情報をそのまま配信条件として設定することが可能。ネットショップで取り扱う商材にあわせてピンポイントにターゲティングできるので、いわゆる「無駄打ち」(興味がないユーザーに対して広告が配信されたり、いたずらにクリックされて広告予算を消化してしまったりするケース)を大幅に減らせます。
実際、Facebook広告の費用対効果は非常に高く、平均CVR(コンバージョン率)は他の広告メディアを大きく上回る9.11%。Facebook広告を活用してCPA(顧客獲得単価)やROAS(広告費回収率)を改善したネットショップも多いようです。
訴求できる情報量が多い
たとえばリスティング広告の場合、限られた文字数で商品の特徴や魅力を伝え切るのはなかなか難しいもの。おのずと広告文は興味関心を喚起するだけの役割にとどまることが多く、コンバージョンに結びつけるためには、リンク先ページのコンテンツや動線の工夫が不可欠です。
一方、Facebook広告にはバナーや動画も含めて10種類のフォーマットが用意されており、画像・テキストを組み合わせてより多くの情報を盛り込むことができます。
たとえば最大10枚の画像を使えるカルーセル広告なら、1つのアパレル商品をそれぞれ違う角度から見せたり、1枚1枚の画像で異なる商材を紹介し、それぞれの商品ページへ個別にリンクを貼ったりすることが可能。
うまく活用すればアクセス数アップだけでなく、商品ページのコンテンツ簡略化など、運用面にも大きなメリットをもたらすでしょう。
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Facebook広告を使ったネットショップの成功事例
続いて実際にFacebook広告を活用しているネットショップの成功事例を見ていきましょう。
広告経由での売上が40%以上アップ(健康食品)
オーガニック素材を使った健康食品を販売するA社では、海外、とりわけアジア圏からのニーズを見越してFacebook広告によるアプローチをスタート。スマートフォンでの見やすさに配慮した動画広告を配信することで、広告経由の売上を従来の40%以上まで伸ばしました。
コンバージョン3倍、顧客獲得単価は約1/2に(ジュエリー)
女性向けのジュエリーを取り扱うB社では、サイバーマンデー商戦の販売戦略の一環としてFacebook広告を出稿したところ、オンラインショップでの売上が3倍に。さらにFacebook広告の管理機能を使ってターゲット設定や予算配分を最適化したことで、顧客獲得単価を従来の約1/2に抑えられました。
割引キャンペーンと絡めて顧客獲得単価を大幅に改善(化粧品)
化粧品の販売事業を手がけるC社では、Facebookの自社アカウントの数が大幅に増えたことをきっかけにFacebook広告を出稿、割引キャンペーンと絡めて専用のランディングページに誘導することで、顧客獲得単価を大幅に改善させています。
売上を飛躍的に伸ばすリターゲティング機能
ここまでFacebook広告の特徴・メリットや成功事例をご紹介してきましたが、より大きな費用対効果をあげるためには、さらに一歩踏み込んだ施策も欠かせません。そこでキーになるのがFacebook広告におけるリターゲティング機能です。
リターゲティングとは、過去にwebサイトを訪れたことがある人や、webサイトを訪れて何らかのアクション(例.ショッピングカートへの商品追加、購入など)をとった人へ向けて広告配信する手法のこと。
潜在的な興味関心が高い人、一定以上の購買意欲がある人がターゲットとなるため、通常の配信と比べてより高い広告効果が見込めます。
Facebook広告の場合、「カスタムオーディエンス」という機能が用意されており、この機能を利用することで、webサイトの閲覧履歴、アクション履歴だけでなく、動画の視聴やアプリの利用履歴などにあわせて広告を配信することが可能です。
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カスタムオーディエンスの利用の流れ
カスタムオーディエンスの設定方法はやや複雑で相応の準備をともなうため、ここでは詳細を省きますが、利用するにあたっての基本的な流れは以下の通りです。
1.ネットショップのページにFacebookピクセルを埋め込む
Facebookピクセルとは、webサイトを訪れた人のアクセス情報や行動履歴を受信するツールのこと。Facebookピクセルのソースコードをネットショップのページに埋め込むことで、カートへ追加した履歴やコンバージョン数などを収集できるようになります。
2.カスタムオーディエンスを作成する
ピクセルを埋め込んだら、Facebookの広告マネージャからカスタムオーディエンス(特定の条件に合う配信先リスト)を作成します。前述の通りFacebook広告のカスタムオーディエンスはwebサイトの閲覧履歴のほか、アプリの利用履歴などにも対応しており、最大500種類まで作成できます。
3.オーディエンスを配信対象として指定する
カスタムオーディエンスを作成したら、広告マネージャから「オーディエンス」へ遷移し、配信対象として指定すれば設定は完了です。
各ステップにおける設定方法、操作の手順については、Facebook公式サイトのこちらのページで紹介されているので、参考にしてみてください。
最後に
ECサイトと相性が良く、リターゲティング機能を活用することで飛躍的にコンバージョンを伸ばせるFacebook広告。
伸び悩む売上に悩んでいる方、プラスアルファの施策でネットショップの収益性を高めていきたいといった方は、今回ご紹介した内容を参考にしつつ、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
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執筆者:AutoPilotAcademy編集部
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監修者:小池英樹
AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。