新製品の発表、M&A、製品のアップデート、イベントや新装開店などなど、ビジネスをしていると「節目」に当たるタイミングが数多く発生します。
ビジネスですから、その全ては最終的には利益に繋げることを目的にしているわけで、当然多くの人に知ってもらいたい。
その時に活用される手段の一つが「プレスリリース」です。
漫然とテレビを見ているだけでもたまに聞くことがあるこの言葉ですが、マーケティングの中でもとても重要な位置づけになります。
「知らないモノは買えない」という動かしようがない大原則がある以上、とにもかくにも「知ってもらう」ことが重要です。
すでに多くの読者を抱えているメディアに対してのアピールが「プレスリリース」ですから、上手く想いを届け、取り上げてもらえればスタートダッシュをかけられるでしょう。
今回はそんなプレスリリースの基礎知識から書き方までご紹介します。
実際にプレスリリースを書く立場でない人にとっても「文章の型」の一つとして覚えておいて損はない内容となっておりますので、是非最後までご覧ください。
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プレスリリースとは?
なんとなくわかった気になっているこのプレスリリースという言葉。
日本語で言えば、「企業や団体がメディアに対して情報を発表する」という意味になります。
たとえばSONYのプレイステーションのサイトにはプレスリリースのページがあり、ゲーム関連の新しい情報が都度発信されています。
各メディアはこういった情報を見て、ニュースバリューが認められれば掲載や放送をしていくことになります。
ユーザー側としてはつい「メディアに取り上げてもらうのは難しい」と思いがちですが、メディアからすれば紙面や放送枠、記事数や文字数といった決められたノルマを埋めなければならないわけで、プレスリリースは企業とメディアがWin-Winになれる場所でもあります。
とはいえ、先述の通りニュースバリューが無いものが取り上げられることは無いので、キチンと「これは報道する価値のあるニュースですよ!」ということを伝えねばなりません。
となれば、一般的な文章を書く仕事と同様、しっかりと考え抜かれた文章に仕上げる必要があります。
「メディアの人を動かす」文章をかければ、取り上げてもらえる可能性が高くなるわけです。
プレスリリースの基本構成5つ
まずは基本構成を見てみましょう。
タイトル
リード文
本文
画像
連絡先
Webマーケティングの担当者であれば、既視感を得るかもしれません。
そうです。一般的な文章メディアの構成とほとんど同じです。
商品の販売ページヘのリンクへの代わりに連絡先を乗せるくらいで基本的な構成は変わりません。
タイトル
この記事で言うところの、「ブランディングに効果的なプレスリリースの書き方を解説!!」です。
Webメディアの場合はSEOの兼ね合いもありますが、一般的には「わかりやすい」ことが大事です。
そのために一般的には30文字程度までにおさえ、要点がわかるようにつけていくわけです。
このタイトルで言うと、ブランディング、プレスリリース、書き方がひと目でわかるような部分(30文字以内)に配置されています。
忙しいビジネスマンのメールボックスのようにメディアの元にはたくさんのプレスリリースが届きますので、DMをまず開封してもらうために件名を工夫するのと同様、プレスリリースのタイトルも考えてつけなければなりません。
リード文
この記事では、「新製品の発表、M&A、製品のアップデート、イベントや新装開店などなど~」の部分。
この部分については読み物の記事とプレスリリースの書き方は違ってきます(詳細は後述)が、本質的には本文にスムーズに読み進める、また本文の理解を助ける要約的なセクションになります。
タイトルとリードだけ読んで離脱する読者も必ずいますので、本文を読んでもらうためにも一切手を抜けない部分です。
本文
タイトル、リードを読んで読み進めてもらい、ここまでたどり着いてもらえればある程度のボリュームを読んでもらえるのがこの本文。
とはいえ小説やエッセイではないので、簡潔にわかりやすく、という意識は必要です。
文章を書きなれていない方の特徴の一つに、「小説とビジネス文書は全くちがう」という意識が希薄なことが挙げられます。
文章そのものを味わうために作られる小説と、ビジネス上の情報を伝えるためのプレスリリースでは同じ文章でもその性質が全く異なります。
画像
文字では伝達できない情報を伝えられる画像も必須です。
YouTube動画のサムネイル画像を考えて頂ければわかりますが、売れているYouTuberほど考え抜いたサムネイルを使っていますよね。
そのメディアやTPOに合わせて、適切な画像を使うことで読者の興味をより強く引くことができます。
ただの写真ではなく、文字入れをしたり、必要があればインフォグラフィックを作るのもよいでしょう。
連絡先
当たり前ですが、興味を持ったメディアから連絡をもらわないと話が進まないので、確実に記載しておきましょう。
プレスリリースの書き方ルール5選
ここからは実際の書き方に進んでいきます。
文章の書き方は突き詰めればルールやコツがたくさん出てきますが、今回は特に要点となりそうな5点をご紹介します。
タイトルを抗えないものに
ニュースバリューを伝える
内部の声を伝える
背景を伝える
客観的なデータを入れる
タイトルを抗えないものに
「抗えない」というのは「見たくなる」より強い表現です。言い換えれば「見ずにはいられない」となるでしょう。
プレスリリースに限らずニュースサイトやYouTube動画、ブログやWebメディアのタイトルはここを目指してつけられています。
週刊誌やスポーツ新聞のように、煽り過ぎのタイトルがプレスリリースに向かないことは言うまでもありませんが、読み進めずにはいられないタイトルが理想的です。
メディアのもとにはとにかく大量の情報が届きますので、その中で光るように完結かつわかりやすいタイトルが求められます。
30文字以内、キーワードは3つ程度まで、誇張なく正確に伝えるよう心がけてみましょう。
「驚愕の!!」のような表現が使われるメディアもありますが、こういった主観的な言葉はあまり好まれません。
あくまで正確に内容を伝えることを忘れないようにしましょう。
ニュースバリューを伝える
メディアだけでなくその先にいる読者に、「なぜこのニュースを見なければならないか」を伝えます。
リード文や本文の序盤でキッチリ抑えておきたいのが5W2H。
Who:誰が(自社や顧客)
What:何を(事業内容)
Where:どこで(オンラインを含めた開催場所)
When :いつ(開始日や期間、時間帯)
Why:なぜ(ニーズやその事業が必要な背景)
How:どうやって(ニーズを解決する方法や特徴)
How much:いくらで(金額や課金システム)
これらの情報をMECEに(漏れなく、重複することなく)的確に伝えていきます。
意外と世間に流れている情報にも画竜点睛を欠いているものが多く見られます。
せっかく良い情報なのに、ある情報が抜けているために伝わらない、同じことを何度も書いているから離脱されるといったもったいないことにならないよう、5W2Hはしっかり抑えておきましょう。
内部の声を伝える
これは記者サイドで考えると、前後関係や文脈を理解するのに役立ち、実際に報道する形を作るのにも役立ちます。
理想的には社長を含む役員や、プロジェクトリーダーなどの声を伝えるのがよいでしょう。プレスリリースの大事な部分をより際立たせてくれますし、それぞれの立場からの見方を伝えることができます。
ここで意識しておきたいのは、プレスリリースとは最終的な記事の「素材」になるということです。
記事になったときのことも考えて、書き手以外の目線でのコメントや考え方を引用しておくと、素材としての質、幅両面を向上させることができます。
背景を伝える
5W2Hにも含まれる、Why=なぜに通じる部分がありますが、「今このニュースや製品が必要な理由」、つまり開発された背景を伝えることも重要です。
特に一般的な生活を送る上での不自由がほとんど残っていない日本では、「なぜ今それが必要なのか」を伝えなければなりません。
社会や顧客のニーズ、不満、流行や過去の流れと未来予測などを踏まえて、「ストーリー」に仕上げて背景を伝えます。
MOTHERHOUSEというカバンのブランドがあります。
その高いデザイン性ももちろんですが、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念や、「途上国の可能性を形にする」といったストーリーや背景に共感して消費者はMOTHERHOUSEを選びます。
単純な機能や性能で売れる時代は終わったとも言われていて、その意義を伝えるために背景は欠かせないファクターと言えます。
客観的なデータを入れる
プレスリリースとはつまるところ「自社製品やサービスの宣伝」ですから、どうしても「売りたい」あまりに主観的、感情的になりやすい性質を持ちます。
これ自体は当たり前のことですが、ポジショントークが目立つと文章、情報としての信憑性を損なってしまいます。
そこで客観的な数字を使っていきます。
「定量的に表現する」のはプレスリリースに限らずビジネスでは重要なことですが、具体的な人数や時間、パーセンテージなど、キチンと測定された正確な数字を入れていくことで信憑性を担保していきます。
Apple社のプレゼンを見ているとわかりますが、性能の説明をする際には必ず具体的な数字が登場します。
「画面が見やすくなりました」だけでなく、「人間の目では捕捉できないほど細かいピクセル密度 2560 x 1600 です。」といったような表現で、その信頼性を客観的に証明していくわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
文章を書く仕事を多くしていた人からすれば「○○と似ているな」という感想を持たれた方も多いかもしれません。
多くのリソースを投下した製品やサービス、イベントを活かすも殺すもプレスリリース次第とも言える圧倒的に重要な文章です。
一方で一般的な広告媒体と同様、トップ企業によるお手本にも常にアクセス可能です。
今回ご紹介した基本的なルールや注意点を踏まえた上で、各社のプレスリリースを読んでみるのも良いでしょう。
貴社のプレスリリースの成果の向上に少しでも役立てて頂ければ幸いです。
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執筆者:AutoPilotAcademy編集部
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監修者:小池英樹
AutoPilotAcademy[オートパイロットアカデミー] CEO 小池英樹 新潟市のマーケター(36歳)。新潟県新潟市生まれ、新潟市育ち、上智大学卒。 2011年にRutuboを設立、カネなし、コネなし、ノウハウなしの状況から独立。ヨドバシカメラで購入したホームページ作成ツール「Bind」を手元に事業開始。 顧客ゼロ・無収入の状態から販売促進を学び、中小企業300社以上のオンライン集客支援に携わる。顧客は日本全国及びに海外で活躍する日系企業に及ぶ。 顧客企業の集客支援も手掛ける傍ら、AutoPilotAcademyでは、培ってきた集客のノウハウを伝えている。 顧客獲得に苦心するスモールビジネスオーナーのためのオンライン集客のバイブルを作ることを目標としている。